長野県の南端、豊かな自然に囲まれた阿智村は、環境省認定の日本一星空が綺麗な村として、満天の星空や昼神温泉郷が人気の観光地です。
弊社の社長と専務は4年前のお正月にプライベートで訪れた昼神温泉で、阿智村の星空に一目惚れして以来、毎年阿智村でお正月を過ごすほどファンになっています!
2019年には「同時に天体観測を行った最多人数」ギネス世界記録にも認定され、2,640人が同時に天体観測をしました。
今回は、ギネス世界記録認定にもご尽力された株式会社阿智昼神観光局の牛山様にオンラインでお話を伺いました。
観光イベントの期限切れポスターやチラシを/活かしたいと思った
阿智村がPELP!を導入してくださったのはどのようなきっかけだったのでしょうか。
牛山様:私ども阿智村は「星の村」の観光誘客で地域活性化をしていまして、最初は、星を見る為のグッズとしてcrepのピクニックラグ※を取り扱いさせていただいたことからお付き合いが始まりました。
ちょうどその頃、観光誘客の次の展開として環境問題をしっかり取り組もうという話になっていました。まだ具体的に何に取り組むかは明確ではなかったのですが、山陽製紙さんからPELP!のご提案いただいて、できることから一つずつやってみようということで導入することにしました。
観光事業をたくさんやっていると、イベントのポスターだとかチラシだとか印刷物が多いんですよね。期限が過ぎると全て廃棄処分になっちゃうんで、それを何か活かせないかと課題に思っていました。
※山陽製紙のクレープ紙でできたピクニック用のラグ
では実際にPELP!を始めてみていかがでしたか?
牛山様:私どもの観光局の事務所と、数件の旅館さんにPELP!バッグを配って置いていただくようにしています。 環境への取り組みというのをひとつを村の方でPRできるし、まだ始めたばかりなので事務局でのレベルですが、今まで何気なく捨てていたものをきちんと回収して新しいものへ活かすという意識はできているなと思います。
斑点があることが、「星の村」とうまくマッチした。
(山陽製紙):PELP!の再生紙で作られた星屑の一筆箋や名刺を拝見しました。 紙にツブツブの斑点があるんですよね。一般的には真白でキレイな紙が好まれたりするんですが、その斑点を「星屑」と言うことで阿智村ならではのストーリーを感じることができてとても素敵です。どのように企画されたんですか?
牛山様:せっかく阿智村から回収した紙なので、生まれ変わったものはたくさんの皆さんに使っていただけるものにしたいという思いがありました。持ち運べたり、手渡して色んな方に広く知れ渡るものがいいなということで、まずはメモ用紙と一筆箋を企画しました。 我々のパンフレットは夜空のイメージから黒や紺の濃い色を基調にしたものが多いんです。それがうまく混ざったようで、仕上がった再生紙には黒い点々があって。山陽製紙の営業さんが「これ、星に見えるんじゃないですか」とつぶやかれたんです。偶然と言えば偶然ですけどね。 通常の白い紙だとどこにでもあるものになるところが、青みがかった紙に星がちりばめられたような斑点があることで、我々のやってる星の事業とうまくマッチする結果になりました。
(山陽製紙):受け取った方も普通の紙よりも斑点があると「この紙は何か違うのかな?」と思われそうですもんね。
牛山様:そうですね。聞かれることもありますし、黒い斑点が入ったことで阿智村オリジナルの「星の村らしくていいでしょ」っていう話は使わせていただいております。
2019年5月にギネス世界記録認定の挑戦をされていますが申請などご苦労されたのでは?
牛山様:我々も初めてのチャレンジでわからないことだらけでしたね。やっていくうちに越えないといけないハードルがたくさん出てきて、時間も労力もかかって大変だったんですけど、一つずつクリアしていきました。その分大勢の方に来ていただいて、達成できた事は本当に大きいことだなと思っています。 記録達成だけで終わりではなくて、それを次にどう繋げていくかを今練っているところですね。
(山陽製紙):ギネス記録天体観測イベントには、星空を見上げる時の敷物として2000人近い参加者の方々に山陽製紙のcrepのピクニックラグを使用していただいて、山陽製紙からも数名参加させていただきました! 靴を履いたまま仰向けで使用することを想定したサイズの「星見るラグ」は阿智村をイメージしたネーミングです。
標高1400mから見る満天の星空は本当にきれいです!
阿智村おすすめの観光を教えて下さい
牛山様:自粛でお出掛けできなかった分、観光客の方にまた楽しんでいただけるように準備をしています。星空のナイトツアーが営業再開しているので、そちらにぜひ来ていただきたいですね。宿泊された方や日帰りの方でも、阿智村にあるスキー場の標高の高いところまでゴンドラに乗って行って、満天の星をご覧いただくというイベントです。
牛山様:一番の醍醐味は標高1400mという高さなんですけど、暗闇の中をゴンドラで進む道中も楽しみのひとつと考えています。 標高1400mのゲレンデは、周りに全く明かりがなく本当にきれいに星が見えますよ。 お天気次第のところもありますけど、お天気のいいときは天の川とかも見れます。 コロナが終息したその先にはギネスの世界チャレンジももう一度計画しています。
紙以外に環境に関する活動はされていますか?
牛山様:今年の冬は、中部電力さんと協力してゴンドラを動かす電力や夜の照明など、すべてのナイトツアー会場で使う電力を、再生可能エネルギーにする取り組みをしました。
将来的には温泉郷の旅館さんも、再生可能エネルギーの電力に変えようと考えています。
あと、きれいな空気があってこそ星がキレイに見えるので、空気を守る取り組みをしていきたいなと思っていまして、大気測定をする準備を進めています。
(山陽製紙):これからもずっと美しい星空を見るためには環境問題が直結していますもんね。 弊社の電力は「みんな電力」さんを通して、長野県の水芭蕉発電所の水力発電と契約しているのですが、同じ長野県の自然から恩恵を受けた電力で紙を作っていると思うと、長野の自然には特別な繋がりを感じます。
PELP!へのご要望や、今後の展開を教えて下さい
牛山様:村の方にPELP!の取り組みをもっと知ってもらって、村の中全体で「じゃあ一緒に紙を集めるのに協力しよう」という意欲が広がるといいなと思いますね。
今度は回収した紙を、村民の皆様に使っていただけるようなものにしようと話をしているんです。
前回私が山陽製紙さんに伺った時に拝見した、靴に入れる「エコクック」※を村役場の環境課に話したところ、関心を持ってもらえたので、エコクックを作るのも一つの提案かなと思いますし、レジ袋の有料化も始まったので紙袋もなにかいいものができればとは思っています。
※炭化した梅の種を抄き込んだ再生紙の靴用消臭シート
今温泉旅館の再開で一番進めているのがコロナ対策なので、せっかくなら阿智村で再生した紙で何か対策をやっていますと言えたらいいなとも思います。コロナ対策用のアイテムとか山陽製紙さんであればいいですね。
(山陽製紙):回収された紙がどのような製品になるのか村の方々に実感いただけると嬉しいです! 私達も感染症対策など、今お客様が必要とされること、お困りごとを、循環した紙で解決できるようなご提案ができないか、考えていきたいと思います!
今回のインタビューを通して、何よりも阿智村の星空を見てみたいと思いました!
山奥の過疎地、地域を活性化するため、満天の星空をプロモーションし、星の村づくりをされた実績は、多くの地方都市のお手本になると思います。
営業再開でお忙しい中、インタビューを受けていただきありがとうございました。
〈おまけ〉
山陽製紙社内で、阿智村の並外れたマーケティング力を勉強させていただいた本をご紹介。
ヒトなし、カネなし、モノなしの限られた状況の中、諸星は新規事業を成功できるのか?
長野県・阿智村で実際に起きた実話に基づくビジネス物語。