Co-CreationつながるPELP!(提携企業インタビュー)

2023.03.20

第三回PPM(PELP!パートナーミーティング)レポート「共創」① 株式会社阿智昼神観光局 松下様

株式会社阿智昼神観光局 事業推進部長 兼 スタービレッジ阿智誘客促進協議会事務局長 松下様

参考リンク:「ピクニックピローに使われているオーガニックコットンのはなし」

日本一の星空ブランディング~共創で豊かな自然を次世代に~

今回ご登壇いただいた株式会社阿智昼神観光局様は【日本一の星空の村】としても名高い長野県・阿智村の観光地域づくりを目的とした第3セクターとして官民を繋ぎ、地域事業を展開しています。
阿智村では、国鉄トンネル採掘中に偶然温泉が出湯し「奇跡の温泉地」としてブームを迎えるも、ピークを境に緩やかに観光客数が衰退。さらに人口減少などの地域課題なども重なっていく中で、村全体を巻き込んでの「星の村づくり」をスタートし、今では年間約15万人をも集客する【日本一の星空の村】のブランディングを行ってきた阿智昼神観光局の松下様に、お取組みや共創事例についてご共有いただきました。

なぜ‟星”?

宿泊者数・売上の減少、若年層の誘客などの課題を抱え、観光を中心とした地域活性化が必要だった、と松下様。
まず地域資源を見直した際に、アルカリ性の泉質で”美人の湯”として親しまれている「昼神温泉」や、村内に約1万本が咲きほこる「花桃」といった豊かな観光資源はあるものの、「温泉は日本中にあり絶対的ではない」「開花シーズン以外の集客が難しい」といった課題に直面します。
その一方で、観光にきたお客様からは星空に感動する声をいただいたそうです。
星空、空気、緑。村の方たちの”当たり前”が、外からくる観光客にとっては魅力的な資源であり、且つ星空を目的(夜のイベント)にしてもらえば、地域への滞在時間が増え、宿泊業の活性化も期待できます。また、阿智村は平成18年に環境省の制定する全国星空継続観察で第1位に選ばれた実績もあり、【日本一の星空】をブランド化して観光活性のみならず地域活性につながるのではないかと考えました。

星空のブランド化を目指して

「阿智村に星空を見に行きたい!」と誰もが思い浮かべる【日本一の星空】ブランド化を目指して、2012年にスキー場や観光企業、商工会などに加わってもらい協議会を設立。地元自治体や一企業にとどまらず、地域住民や全国の企業・団体が一丸となり、阿智村プロジェクトが進行していきました。

一例を挙げると、「星のエンターテイメント」として、星を見るまでの過程にも非日常体験を盛り込んだ星空ナイトツアーや、旅行商品の充実を図りました。
また、若年層の集客を意図しwebプロモーションやSNSへの拡散にも注力。ターゲットやエリアを絞り、イベント時には1週間で100万回超表示される規模の広告発信なども行っています。加えてマスコミへのプレスリリースも約300社に配信し、全国ネットのTVやラジオ、ネットメディアへの掲載など、メディアへの露出も着実に積み重ねています。
さらに、お客様はもちろん、地域住民の方にも阿智村の取り組みをより知っていただく為に、様々な外部の受賞制度へのエントリーも継続して行っているそうです。

地域内外の様々なパートナーと【一緒に】日本一の星空の村に

阿智村では地域の方々とも広く連携を図っています。
宿泊・観光業はもちろん、農業・林業、地域住民の方々など、一見観光と関連がなさそうな分野でも地域活性の為に横断的な連携をとることで、受入環境やサービスの拡充、空家対策や雇用機会の創出などの課題解決にも繋がっています。

また、地域を超えた様々な分野の企業・団体とも‟一緒に”日本一の星空の村を作る為に積極的な連携を図り、10年間でその数約500に及ぶ共創事業を展開してきました。
例えば、著名人を招いてのライブイベントや、宇宙を舞台としたヒーローとのタイアップ、さらに星や自然環境などをテーマとした国際映画祭の誘致などのイベント。
その他にも、オリジナルの家庭用プラネタリウムの開発や、オリジナルジュエリー、飲料ラベルなどといった”星”をモチーフとした製品展開や、村内のカフェを活用したキャラクターやアニメとのコラボレーションなど幅広い共創事業を行い、2012年には6,535名であった村内イベント来場者数も2016年には目標の10万人を超える154,751名を達成。
現在はこの15万人規模の維持を目標に、継続して取り組んでいます。

50年後も100年後も「日本一の星空の村」であり続けるために

様々な共創展開により、知名度の向上や客層の変化、雇用機会の創出や特産品開発など地域にとって良い結果が生まれている中で、交通渋滞や観光客の受入れキャパシティの不足など、新たな課題も生まれてきています。阿智村では際限のない観光規模拡大を目指すのではなく、地域におけるキャパシティの適正値を徹底的に考え抜き、地域住民と観光客、全てのパートナーがベストな関係を築けるバランスを保つことに取り組んでいます。

また、世界に誇れる星の村として地域住民、パートナーと共に同時星空観察人数などのギネス記録にも挑戦し、更なるステップアップにも取り組んでいます。
今後はこの豊かな環境を次世代にも引き継いでいくために、CO2フリー電力へのシフトやパンフレットのアップサイクルといった環境への取り組み、また、村内の全小学校にポーラーピラー(北極星が見える覗き穴)を設置するなど、幼少期から星空に関心を持ってもらい、美しい星空を後世に受け継いでいくための活動も行っています。

地域の方も、訪れた方も、”星”を通じて共に笑顔になれる【日本一の星空の村】。
これからも様々な共創パートナーと共に地域の活性化に挑む阿智昼神観光局・松下様の素敵なご共有でした。

阿智昼神観光局 公式サイト

共創で生み出す新たな事業機会

「日本一の星空の村」、とても素敵な響きですよね。
とは言え、「星」を観光資源としてブランド化・定着した現在の阿智村に至るまでには様々なご苦労があったことが伺えます。
温泉の湧出や外的要因(愛知万博)でブームを迎えるものの、「温泉」だけでは観光客(特に若年層)を惹き付けるのは難しい……そんな状況を打破したのが、阿智村の「星空」でした。
季節にも左右されず、老若男女楽しむことができ、しかも環境省のお墨付き。村には温泉もある。
星空をコアコンピタンスとして見出した阿智村でしたが、様々なピースを丹念に組み合わせてできた「日本一の星空の村」の事業モデルには、もちろん地域内外の共創パートナーの存在も欠かせません。
星空を軸に、様々な企業や団体とのコラボレーションや共創を行い、それぞれの価値を高めあえる阿智村の共創モデルはとても理想的と言えます。
また、阿智村では次世代へ美しい星空を継承するために環境保全活動や地域の子供達へ星空の啓蒙活動を行うなど、商業的な成功だけで終わらせない持続的な拡がりに対しても注力しています。

阿智村の廃棄パンフレットを再生した「星くずのメモ帳」

今回取り上げた阿智村様のような事業モデルについて、最近では「コ・クリエーション(=共創)」や「オープンイノベーション」といった単語を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コ・クリエーションのための手段として有効なオープンイノベーションには、社内外のリソースを活用し課題解決やイノベーション促進を図る、または自社の知識や技術を開放し新たなアイディアや機会創出を図る、更にその2つを組み合わせたハイブリッドのパターンが挙げられます。
阿智村様は、まさに既存のリソースを活用・オープンにすることで新たなアイディアや機会が生まれたオープンイノベーションの好例と言えるのではないでしょうか。

欧米では多くの企業や団体で推進されているオープンイノベーション。近年、日本でも広まりつつありますが、PPMにおいてもアイディアや素晴らしい事例の共有を通じて、新たなイノベーションや共創機会の創出を目指して取り組んでいます。

パートナーシップで循環型社会へ

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