参考リンク:「ピクニックピローに使われているオーガニックコットンのはなし」
会社は働く人のために存在する
今回ご登壇いただいた株式会社アグティ様(以下、アグティ様)は京都府久世郡久御山町を拠点として医療施設や高齢者施設などのビルメンテナンスやクリーニング事業を主に展開しています。
2022年に創業30周年を迎えた今も、創業者の想いである【会社は働く人のために存在する】という言葉を大切に日々従事されているアグティ様の取組み事例などを中心にご共有いただきました。
わが社の道しるべとアグティ流の共創とは?
アグティ様では自社の経営理念を”わが社の道しるべ”として表現しています。その内容は『共に働く仲間の幸せを追求することにより豊かな未来社会へ貢献する』少し噛み砕くと『会社という道具・事業という手段を多彩に活用し共に働く仲間の幸せを追求する』ということだそうです。会社というものはあくまで幸せを追求する為の道具である、という点がポイントです。また、共に働く仲間の幸せを追求する為には社会が健全であることもやはり大切だと考えています。
そんなアグティ様の“道しるべ”がある中での『共創』に対する考え方も幾つか挙げていただきました。
・どんな仕事をするかも大切だが、誰とするかも大切である
・プロセスも価値である
・オモシロそう/ノリでやる その時の感性や勢いも大切にしたい
・楽しそう、魅力的に感じるものには巻き込まれてみる乗っかかる
・目標や着地点はなんとなく、決め過ぎない
・ダメならやめるので、とりあえずやってみる
・比べることで安心したり不安にならないようにしている
・正解を探さない。わたしたちなりの正解をつくる
・共創の起点は<人>である。だからこそ<関係性>を大切にしたい、
そしてそこにある関係性は【私たちらしさ】を大切にしたい
アグティ様ではこのような観点を持ち社内外での積極的な共創活動に取り組まれています。
アグティ流の共創事例
上記の感覚を大切にした上での現在の共創事例もご共有いただきました。
・社内報【共に働く仲間たち)
社内の関係性を深めることを主旨として年3回発行しています。25日に開催している社員間の座談会(通称ざわ会)の内容を主な題材とし各スタッフの紹介、トピックスや事業拠点の紹介を社内向けに行っており、社内報の製作は子育て中の女性の「はたらく」を支援している㈱ウエダ本社 ウテナワークスに依頼。また、当社のパートナー企業でもあるキンコーズ・ジャパン社にてPELP! PAPERに印刷しています。
・SOCIAL GIFT THEATER(社会課題について考える映画上映会)
スタッフの「やりたい!」が起点となった事業です。映画鑑賞の後に小グループでの感想共有などから地域間の繋がりづくりに寄与しており、ママラボ(地域のママさんチーム)、グローカルセンター(大学生の交流拠点)、ウエダ本社・エージェンシーアシスト社(地域企業)を巻き込み定期的に開催しています。
・のんでCHANGE
飲料メーカーのチェリオコーポレーション社の取組みに‟乗っかかり”、自販機の売上金額の一部をLGBTQの支援団体へ寄付する活動に参画しています。財務からの提案で「買い求めやすい方が社員も参加し易い」とのことから代金の半分を会社負担として、社員の方は50円で購入(寄付)ができる仕組みとなっているそうです。
・フェアトレードユニフォームの使用
シサム工房社に協力依頼し、【LET’S FAIR TRADE ROCK!(楽しくフェアトレードしよう!の意訳)】のデザインのユニフォームに新調しました。バックプリントにしたのには理由があり、職場の中で目にする機会が増えることで頭ではなく目で理解し少しでも日常に落とし込んでもらいたいから、とのこと。
・ACWA( AGT CoWorking Alliance)
障がい者事業所や認知症の方のデイサービス、多世代交流拠点などとの業務連携の仕組みづくりも行っています。
業務連携として障がい者事業所の方にクリーニング済タオルの畳み作業を依頼。また、静岡県にあるリハビリテーション病院施設の中に洗濯室を設立し、リハビリテーションの一環として衣類を畳む作業を行っています。
他にも、認知症の方のデイサービスで社内表示看板を製作していただいたり、地域の高齢者の方にタオルを畳む仕事を依頼しています。これらの作業は機械でもできますが、【誰とやるか】を大切にして連携している事業です。
・見守りつき洗濯代行サービス
独居もしくは高齢者のみでお住まいの方への洗濯代行サービスを行い、対面での受け渡しをすることで安否確認や万一の異変に気付くことができる地域福祉との共創も行っています。
働く=共創の本質かもしれない
今回共有していただく中で改めて”共創”という言葉で感じたのは、”共創”は社内からも可能だということ。これまでは異なる企業同士でやることだと思いこんでいましたが、それは発展形であり、まず第一歩は従業員と会社から始まるのではないでしょうか。
「私らしさ×会社らしさ」
齊藤社長は、働くという「私らしさ」と会社に眠っている価値や事業などの「会社らしさ」の掛け算が本質なのではと感じ、「働くことが共創の本質なのではないか」とまとめられました。
結果や正解を求めず、在り方や個人や会社の「らしさ」を大切に事業に直結することはもちろん、そうでないことにも積極的に取り組み、社内外で素敵な「共創」展開を一つ一つ形にしているアグティ様の素敵なご共有でした。
※2022年9月には、アグティ様を会場として「PPW(PELP!パートナーワークショップ)」も開催されました。ご共有事例について、齊藤社長自ら実際に現地でご紹介いただき、また、PELP!会員同士のリアルな交流からアイディアやヒントを学ぶ貴重な機会となりました。
PPW詳細
共創が生み出すシナジー効果
会社のために働く、という考えが長く一般的だった日本において、アグティ様の「会社は、働く人のために存在する。」という信念はとても印象的です。
会社と働く人が「共創関係」になると、どのようなシナジー効果(複数のものが互いに作用し機能や効果を高めること)が期待できるでしょうか。
例えば従業員が企業の意思決定に参加することで、企業の意思決定プロセスがより透明かつ公正になり、企業の社会的責任を果たすことができます。
また、従業員が業務に対して意欲的に取り組み、企業に対して愛着を持つことでエンゲージメントが向上、離職率が低下し採用コストや訓練コストの削減が期待できます。
前述のサイクルがうまく稼働すれば企業の生産効率や業績向上にもつながるかもしれません。そこには給与水準の向上や福利厚生の充実など従業員に還元される仕組みや組織文化の構築も欠かせません。
2021年6月に改定されたコーポレートガバナンス・コード(※)では、サステナビリティに関する項目の他に人的資本に関する項目が追加されました。
多様性の確保に向けた人材育成方針・社内環境整備方針を実施状況とあわせて公表することが求められており、「働く人」を会社の資産とし、共に成長していくことが重要な企業戦略のひとつとなるでしょう。これは大企業、上場企業に限らず中小企業にとっても欠かせない視点となることは間違いありません。
(※…企業統治を実現するために必要な原則・指針を金融庁と東京証券取引所が合同で取りまとめたガイドラインのこと。適用対象は上場企業ですが、企業統治の参考として、非上場企業にも有用です)
パートナーシップで循環型社会へ
PELP!のご参加には、年会費などは不要。専用の回収袋「PELP! BAG」(税込2,750円 ※PELP! BAGの返送料含む)を購入し、不用なオフィス古紙を詰めて山陽製紙に送ることで「PELP!会員」となります。
会員になると、会員同士の交流会であるPPM(PELP!パートナーミーティング)への参加や、古紙のトレーサビリティサービス「KAMITORE™(カミトレ)」の利用が可能になります。
■一袋(A4コピー用紙およそ4,000枚分程度)からはじめられるオフィス古紙アップサイクルサービス
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■環境への取り組みの第一歩としてできることを探している方へ
PELP!に参加をご希望の方、サービスやプロダクトについて具体的な相談をご希望の方、その他ご質問がある方は下記よりお気軽にお問い合わせください。
※第三回PPM 株式会社アグティ様のご講演動画はこちらから